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診療案内

‐犬の椎間板ヘルニア‐

椎間板ヘルニアって?

犬の脊髄は脊椎(背骨)で守られており、頸椎、胸椎、腰椎の合計27本の骨からできています。これらそれぞれの脊椎の間には椎間板があり、その中心部に髄核と、その周囲を線維輪に取り囲まれています。椎間板は、ゼリー状の髄核により、脊椎にかかる衝撃を吸収する働きを持っています。この椎間板が脊髄側に飛び出し、脊髄を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。

椎間板ヘルニアの図解

外科療法
ハンセン1型:髄核が脊髄側に脱出

外科療法
ハンセン2型:厚くなった線維輪が脊髄を圧迫

椎間板ヘルニアの分類

椎間板ヘルニアはハンセン1型とハンセン2型に分けられます。ハンセン1型は主にダックスフンドなどの軟骨異栄養性犬種に起こりやすく、若い年齢で急性に発生します。髄核が脊髄側に脱出し、脊髄神経を圧迫します。軟骨異栄養犬種は椎間板が若齢のうちから変性(老化)するため、強い力が加わることで椎間板ヘルニアを発症します。また、ハンセン2型は加齢に伴って椎間板が変性し、厚くなった線維輪が脊髄を圧迫するため、2型の椎間板ヘルニアは老犬に多く、慢性的にゆっくり進行する事が多いです。

椎間板ヘルニアの重症度分類

椎間板ヘルニアはその重症度によって表の5つのグレードに分けられます。 特にグレードの4~5の差は、予後の差に非常に大切で、グレード4とグレード5では治療後の改善率が大きく異なります。とくにハンセン1型を起こしやすいダックスなどの犬種は、昨日までグレード1だったのに、いきなりグレード5に移行することもあるため、内科療法選択した場合、治療中にグレードの進行が起こっていないかの注意することはとても必要です。

外科療法

椎間板ヘルニアの治療

椎間板ヘルニアの治療は大きく分けて内科療法と外科療法に分けられます。
<内科療法> 脊髄の圧迫の軽度な子、症状の軽い子に対しておこなわれます。ただし内科療法をおこなっても症状が進行したり、急に歩けなくなったりすることもあるため注意は必要です。内科療法では、安静(ケージレスト)と鎮痛剤(主に非ステロイド系消炎鎮痛剤)が治療となりますが、これらの治療で改善がない場合は外科手術をおすすめしています。
<外科療法> いわゆる手術のことで、外科療法で最も大切なことは、原因となっている椎間板の場所を特定することです。手術の場所を特定するためにCT、MRIなどの検査をおこないます。手術では、原因となっている脱出した椎間板物質を摘出し、術後はリハビリを行います。主にグレード3以上で手術が適応となりますが、グレード2でも椎間板の圧迫が重度で、内科治療で症状の改善がない場合は手術を検討します。

実際の症例1:胸腰椎椎間板ヘルニア

症例:ミニチュアダックスフント 5歳 去勢雄
主訴:一昨日から両後足が全く動かなくなったとのことで来院されました。
診察時に両後足完全麻痺、深部痛覚が消失しており、グレード5の胸腰椎椎間板ヘルニアと診断しました。MRI検査を実施し、胸椎12番目と13番目の間の椎間板が脊髄に圧迫している所見を認めたため、飼い主様とご相談して手術を行いました。

外科療法

椎間板ヘルニアの小切開片側椎弓造窓術を基本として行います。手術は主に拡大鏡、もしくは顕微鏡下で実施します。手術では、造窓する椎弓を露出し、椎弓をラウンドバーにて造窓、圧迫していた椎間板物質を細い鉗子で全て摘出し、脊髄の圧迫が解除されたのを確認し、手術摘出としました。

外科療法
外科療法

術後は約1ヶ月でほぼ以前と変わらず歩けるようになり、症状は重度でしたが無事完治することができました。ミニチュアダックスは椎間板ヘルニアの再発も多いので、注意が必要です。今では元気に走り回っており、経過良好です。

実際の症例2:頚椎椎間板ヘルニア

症例:ミニチュアピンシャー 9歳 雌
主訴:1週間前からの頚部痛と前足麻痺で来院されました。 診察の結果、頚部椎間板ヘルニアと診断しました。頚部椎間板ヘルニアは胸腰椎椎間板ヘルニアと違い、呼吸麻痺も起こす事があるので、すぐにMRI検査を実施しました。その結果、頚椎2番目と3番目の間の椎間板が脊髄に圧迫している所見を認めたため、飼い主様とご相談して手術を行いました。

外科療法

手術では、腹側アプローチ(ベントラルスロット)で実施し、圧迫していた椎間板物質を細い鉗子で全て摘出し、脊髄の圧迫が解除されたのを確認し、手術摘出としました。

外科療法
外科療法

術後は1週間でほぼ以前と変わらず歩けるようになりました。頚部の椎間板ヘルニアは、胸腰椎椎間板ヘルニアに比べて手術で早期に改善することが多いのも特徴です。この子も今では元気に走り回っており、経過良好です。

手術をしない第3の治療法:経皮的椎間板レーザー減圧術(PLDD)

PLDDとは、Percutaneous Laser Disc Decompressionの略で、椎間板に注射針を穿刺し、その中にレーザーファイバーを挿入し、逸脱した椎間板を蒸発、治療する方法も実施しています(経皮的椎間板レーザー減圧術)。医学領域では確立された方法で、犬の椎間板疾患に対する半導体レーザーを用いたPLDDも安全性と有効性が確認され、椎間板疾患の新たな治療法として報告されています。当病院でも現在、内科、外科の中間に位置する処置として、レーザーによる経皮的髄核減圧術を行っています。PLDDには以下の特殊な機械が必要となります。

外科療法

レーザーを照射し髄核の一部を蒸発させ空洞をつくります(左図)。空洞ができたことで神経根を圧迫していた髄核圧が下がります。またレーザーは消炎鎮痛効果があると考えられております(右図)。

主に使用する器具、機械

外科療法
半導体レーザー

外科療法
半導体レーザー

実際の症例

症例:14歳 シーズー 去勢雄
2週間前から頸部痛と、後肢のフラつき(グレード2)があり近医にて2週間ほどケージレストによる安静と消炎鎮痛剤治療を実施しましたが痛みが継続して認められたため当病院を紹介、受診されました。症状から椎間板ヘルニアが強く疑われたためMRI検査を行いました。

外科療法

MRI検査では、頸椎4番目と5番目、5番目と6番目の間の椎間板ヘルニアが確認されました(右図)。また、胸椎13番目と腰椎1番目、腰椎1番目と2番目の間にも椎間板ヘルニアが確認されました(左図)。臨床症状や経過、MRI画像所見から、慢性多発性のハンセンⅡ型の椎間板ヘルニアと診断しました。治療では、PLDDはこの症例のような慢性多発性のハンセンⅡ型の椎間板ヘルニアが適応となります。そのため、今回は経皮的椎間板レーザー減圧術をご提案し、そちらは希望されたため実施しました。

外科療法

経皮的椎間板レーザー減圧術では全身麻酔下で行います。注射針(22G)を使用して治療します。頸椎(右図)と腰椎(左図)の療法を実施しました。椎間板の髄核に注射針(22G)を穿刺し、その中にレーザーファイバーを挿入し、レーザーを照射して髄核を蒸発させ椎間板ヘルニアを治療します。

外科療法

デジタルCアームレントゲン下で椎間板内に針が挿入していることが確認できます。 頸椎(右図)腰椎(左図)

レーザー焼烙時間は1箇所あたり5分ほどです。今回は4箇所行ったため、麻酔処置も含め30分ほどで終了しました。PLDDの利点として、この症例のように頚椎や腰椎に多発している場合、同時に全て治療可能な点も挙げられます。 経過は処置後4日ほどで痛みは消失し、20日ほどで後肢の歩行不全も改善しました。その後は内服も終了し、治療終了となりました。経皮的椎間板レーザー減圧術(PLDD)は今回の症例のように、高齢で慢性化した多発性のハンセンⅡ型の椎間板ヘルニアに最も効果的で、改善率は80〜85%と報告されています。急性の単発性のハンセンⅠ型の椎間板ヘルニアにも効果はありますが、症状が急性な場合は通常の手術が最も効果的です。 症例の年齢や状態、臨床経過を踏まえてどの治療法が最も良い選択か相談することが重要です。何か不明な点があれば遠慮なくご連絡、ご相談下さい。

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