診療案内
‐血液透析‐
当病院では動物用の血液透析機器を導入し、急性腎不全の治療を積極的におこなっています。血液透析とは、専用のカテーテルを通して体から抜いた血液を透析器に通し、きれいになった血液を再び体に戻す治療法になります。血液透析は一日5〜6時間程度行い、腎臓機能が正常に回復するまで5〜8日ほど繰り返します。

血液透析に使用する機器
(NCU-A:リーフインターナショナル)

腎臓病の治療は輸液療法が基本ですが、腎障害が進行している場合、皮下輸液や静脈点滴治療を行なっても尿が作られず、一般的な病院では腎不全に対する治療がないため残念ながら亡くなってしまいます。血液透析はこのような点滴で改善しない腎不全に非常に効果的です。
一般的な治療(輸液療法など)を実施しても腎不全が改善しない場合や、「もう、打つ手はありませんので、退院されてお看取りください。」と、主治医の先生から告げられた時にはお力になれるかもしれませんのでご相談ください。
適応疾患:急性腎不全(腎障害)、慢性腎不全の急性増悪期、レプトスピラ症、中毒(ブドウ中毒、ユリ中毒)など

ほとんどの犬や猫で血液透析中は無麻酔で実施可能ですが、専用のカテーテルを設置する時のみ(15〜30分程)、薬による鎮静や軽い麻酔が必要になることもあります。血液透析療法は、人医療では広く一般に行われている治療法ですが、犬や猫で血液透析を行える施設は限られています。
急性腎不全は早期に適切な対応をしないと命にかかわる病態です。早期に血液透析を導入することで救命率は格段に上がります。飼い主様がご希望される限り治療を提供することができます。重症の場合は当病院に早めにご相談ください。