午前:9:00~11:30 | 午後:15:00〜18:30
休診:日曜、水曜午後、祝日

096-293-5654

診療案内

‐白内障手術‐

白内障とは?

白内障とは、眼の水晶体が一部もしくは全部が白濁し、進行すれば視力は低下、最後には失明する病気です。犬や猫も人間と同様に白内障が発症します。 特に若年性や糖尿病性により急激に白内障が進行した場合、失明はもちろん白内障化した水晶体タンパクが眼内に溶け出し重度の炎症を引き起こす水晶体起因性ぶどう膜炎を発症、痛みを伴うようになり、進行すると緑内障を併発します。現在では人と同様に白内障手術が可能となっており、当病院でも視力が低下もしくは失明した白内障に対し白内障手術を行っております。

白内障になってしまったら?

視力が障害されている白内障(成熟白内障以上)は、点眼薬では視力を回復させることはできないため、外科的に水晶体を摘出し、眼内レンズを挿入する手術を実施します。
犬用眼内レンズ犬用眼内レンズ

白内障手術のための術前検査

術前検査で細隙灯顕微鏡検査(スリットランプ検査)によって角膜・水晶体などを詳しく観察し、そして眼の超音波検査、網膜の機能を見るための網膜電位検査(ERG検査)などを行います。また、全身麻酔を行うため麻酔前の血液検査、胸部レントゲン検査を行い、問題なければ手術の予定を決めます。
網膜電位検査機器(ERG検査)当院で使用する網膜電位検査機器(ERG検査)

白内障手術

進行性、急性に進行した白内障に対する唯一の治療法は、白内障の水晶体を手術によって取り除くことです。超音波吸引装置を使用し外科的に水晶体を乳化吸引、摘出し、眼内レンズを挿入する手術を実施します。その結果、光が再び網膜上に焦点を合わせられ視力が回復します。白内障手術の成功率は約90%で、この成功率は、白内障眼球の状態によって決まります。比較的高い成功率ですが、合併症があることは無視できません。術後の合併症はいくつかあり、過剰な炎症や角膜の浮腫(にごり)、二次的な緑内障(眼圧の上昇)、網膜剥離、眼内感染、完全な失明などがあります。合併症がなければ術後早期から視覚は回復し、術後1~2ヶ月の間には投薬や点眼を終了することができます。

白内障手術前・超音波吸引装置を使用し水晶体を乳化吸引
眼内レンスを挿入・手術終了

まとめ

動物の白内障は飼い主の気づかないうちに進行することが多く、網膜の異常や炎症を引き起こし、手術しても視覚の改善が悪くなることがあります。今のところ白内障を治す点眼薬は医療、獣医療ともにエビデンス(根拠のある治療法)がなく早期の手術が唯一の治療法となります。すでに白内障になり今後が心配な方や、視覚はあるけれども最近眼が白くなってきたなどで気になる方は早いうちに一度診察されることをおすすめします。

  • 手術に使用する乳化吸引装置

    手術に使用する乳化吸引装置

  • 手術に使用する手術用顕微鏡

    手術に使用する手術用顕微鏡