診療案内
‐CT検査‐
当病院では、獣医師とご家族の皆様が異常(病気)を同じレベルで理解できるようAI機能を搭載した最新型80列マルチスライスCTと高性能3D画像構築ワークステーションを導入しています。この装置は、放射線による被爆量を低減でき、より精密で高画質・広範囲な撮影が可能となり、画像構築ワークステーションとの連携により、誰でもが容易に理解できる3Dとして見ることができるので、ハッキリと手に取るように見ることができます。CT検査でわかる異常は多岐にわたり、今までの検査では発見不能な病気の診断に効果を発揮します。
CT機器:Aquilion Lightning/Helios i Edition
ワークステーション:VAZE(高性能3D画像構築)
‐CT検査の主な適応疾患‐
CTを撮影する目的は、以下の病気の確定診断はもとより、手術前の精密検査、術後の経過観察、肺炎などの炎症の有無確認など多岐にわたります。近年の技術進歩により0.5mm間隔で断層画像を作成できるため、ごく小さい病変も描出可能です。
- 胸部:肺腫瘍、胸腔内リンパ腫、胸線種、胸腔内腫瘍、異物誤嚥、肺炎、気管支拡張症、無気肺、気胸、腫瘍の肺転移、気管支嚢胞、食道内異物、食道腫瘍など
- 腹部:肝臓腫瘍、門脈シャント、胆石、胆嚢破裂、脾臓腫瘍、脾捻転、膵臓腫瘍、消化管腫瘍(胃腸、腎臓腫瘍、水腎症、尿管結石、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍など
- 四肢:骨肉腫、骨腫瘍、関節腫瘍、脱臼、骨折など
- 頭部:脳腫瘍、水頭症、脳出血、頭蓋骨折、鼻骨折、顎骨折、鼻腔内腫瘍、歯牙疾患 中耳炎、副鼻腔炎
- 脊椎:椎間板ヘルニア、椎体腫瘍、脊髄腫瘍、骨折、脊椎奇形
*頭部や脊椎はMRIと適応範囲が被るため、必要に応じてMRIも同時に撮影します。MRIに関しては「MRI検査」のページを参照下さい。
‐手術支援としてのCT検査‐
手術前にCT撮影をすることにより、そもそも手術により根治が望めるのか?緩和に繋がるのか?手術をしないほうがいいのか?が分かってきます。その上、手術を行うべき範囲や部位が特定するため、手術時間の短縮にも繋がります。さらに、CT検査は細かい病変を客観的に評価できるため、様々な疾患の術前計画を立てる上で非常に重要な検査となります。当院でも手術前は積極的にCT検査を実施し、安全で計画的な手術を実施しております。
‐検査方法、注意点‐
検査時は動物が動かないようにするため基本的に鎮静剤が必要となります。動物の状態が悪い場合のみ無麻酔で実施することがあります(画質が悪くなり、診断に影響がでる場合があります)。検査時間は約10分程度です。検査時当日は絶食絶水でお願いします。
‐症例のCT画像‐
上顎腫瘍
重度の根尖膿瘍
鼻腔内腫瘍
甲状腺腫瘍
肝臓腫瘍
門脈シャント
副腎腫瘍
‐CT検査まで流れ‐
- 予約:CT検査は予約が必要です。他院に通院中の方は、かかりつけ病院の紹介が必要となります。
- 来院:担当獣医師からの検診のご説明、問診などがございます。必ず絶食の上、午前10時までの来院となります。
- 検査:CT検査前に一般身体検査、血液検査などを行います(かかりつけ病院ですでに済んでいる場合は持参お願い致します)。
- 検査時間はおおよそ10~15分程度です。
- お迎え:麻酔が完全に覚醒してからのお迎えとなるため、当日の午後3時以降のお迎えとなります。麻酔の覚醒の状態によりお返しまでの時間が異なる場合があります。予め、ご了承下さい。
- 検査結果:お迎えの際に検査結果をご報告いたします。読影結果に時間を要する場合は翌日以降の報告となることがあります。
‐CT検査費用‐
CT検査の基本料金となります(全身麻酔代込み)。その他、麻酔前血液検査、レントゲン検査は別途、費用がかかるため、詳細をご希望の方は病院まで直接、ご連絡下さい。
*CT検査と同時に必要に応じて細胞や組織の検査も実施しております。そちらも別途、費用がかかるため、予めご了承下さい。