犬の脳腫瘍
犬の脳腫瘍
手術:前頭葉腫瘍摘出術
症例:犬 13歳 雌 体重2.4kg
主訴:突然の元気消失、食欲の低下、排尿困難で来院しました。身体検査、超音波検査では特に以上は認められませんでした。神経の病気を疑い、他院でのMRI検査を勧めました。
MRI検査:脳の右前頭葉に腫瘍が見つかりました。
オーナー様のご希望により右前頭葉の腫瘍の摘出手術を行いました。脳の手術は非常に繊細なので顕微鏡での手術を行いました。手術では頭蓋骨に穴を開け、腫瘍を少しずつ削っていきます。予め専用の染色液で、腫瘍を染めることで正常な脳を傷つけません。脳腫瘍摘出後は頭蓋骨を閉じ、皮膚を縫合して手術終了です。手術時間も2時間少しで比較的スムーズに手術が終わりました。
腫瘍摘出後の術後経過は良好で、特に大きな合併症もなく2ヶ月経経過した現在も元気に過ごしているそうです。
今回の腫瘍は髄膜腫という腫瘍でした。良性の腫瘍と言われていますが、脳や脊髄を圧迫することもあります。オーナー様が症状の出たその日に連れてきてくださり、早期に検査ができたことで外科的に腫瘍を取り除くことができました。なにかおかしいなと思ったら、まず動物病院で検査をすることは大切ですね。また、日頃からの定期的な健康診断をおすすめします。