腔鏡手術

犬と猫の腹腔鏡手術、検査について – 動物にも傷の小さい手術を

<腹腔鏡手術とは>
人の医療では腹部手術では腹腔鏡が主流になっており、獣医療でも近年になって手術や検査に利用されるようになりました。従来の開腹手術に比べ傷が小さく痛みも少ないので、術後の回復が早いため、当院では動物に出来るだけやさしい腹腔鏡手術を導入しています。 実際の手術では皮膚を数カ所切開(5-10mm)して器具やカメラを挿入し、テレビモニターでお腹の中を観察しながら手術を行います。 血管処理には「LigaSure血管シールシステム」または「超音波凝固切開装置ソノサージ」を使用しています。コンピューター制御で適切な熱エネルギーを発生させ血管の処理を行うので、より安全な手術を行えるようになりました。

<使用する機器>

 

<どのような手術、検査が動物病院で可能ですか?>

主な腹腔鏡手術

①腹腔鏡下避妊手術(両側卵巣子宮摘出術)
② 腹腔内潜在精巣切除手術
③ 膀胱結石摘出手術
④ 予防的胃腹壁固定手術(胃拡張予防処置)
⑤ 腹腔鏡下胆嚢切除手術(胆泥症、胆石症に適応)
⑥ 腹腔鏡下副腎腫瘍摘出手術

 

主な腹腔鏡検査 
① 肝臓の生検:微小門脈異形成、肝炎、肝臓腫瘍などの検出
② 腎臓の生検:糸球体腎炎、腎臓腫瘍などの検出
③ その他腹部臓器の生検:膵臓、腸管、膀胱、副腎、リンパ節など
④ 胸腔内検査:肺、心臓、血管系の精査など

<実際の手術手技>

1 腹腔鏡下避妊手術(両側卵巣子宮摘出手術)

3ヶ所からカメラや器具を挿入し、卵巣と子宮につながる血管を処理し、卵巣を体外に摘出します。従来の手術では傷口が約10cmでしたが、腹腔鏡下手術では1cm程度の傷3つで済み、術後の疼痛も軽減できます。

 

 

2 臓器の観察と生検

血液検査やレントゲン検査、超音波検査で異常が認められたり、難治性の嘔吐・下痢などの異常が認められる場合、組織の一部 を採取(生検)し病理組織検査を行い、どのような異常が起こっているのかを調べる場合があります。従来はお腹を大きく開腹する必要があり、術後患者の負担も少なくありませんでした。 腹腔鏡下手術は、このような検査を小さな傷で行うことができ、患者の負担を最小限にすることができます。 肝臓、腎臓、腸、リンパ節など、胸やお腹の中の臓器を調べることができます。 *全ての症例が腹腔鏡を用いての検査が出来るとは限りません。事前の血液検査や超音波検査結果を総合的に判断して行います。

 

 

 

3 腹腔鏡下膀胱結石摘出手術

膀胱結石は頻尿や膀胱炎の原因になり、尿道閉塞を引き起こす可能性があります。手術は、カメラで腹腔内を観察しながら鉗子で膀胱を体外に引き出し、膀胱を切開し結石を摘出します。膀胱内もカメラで観察できるため、非常に小さな結石を取り残す危険性を減らすことができます。

 

 

4 腹腔内停留睾丸(陰睾)の摘出手術

6カ月齢を超えても睾丸が下降してこない場合、腹腔内の停留睾丸と診断されます。腹腔内の精巣は腫瘍化しやすく(正常な位置の精巣と比較すると約60倍)、ホルモン異常による脱毛、雌性化、骨髄異常や転移などのリスクが高く、早期に摘出する必要があります。

 

 

5 腹腔鏡下予防的胃固定手術

胸郭の深い大型犬では運動後に胃が拡張し、ひどい場合には胃自体が捻れて急性腹膜炎を起こし死亡してしまう胃拡張、捻転症候群と言われる病気があります。この病気は大型犬ではどの年齢でも発生するため、常に気をつけて飼育する必要があります。今まではこの病気になってしまった時に緊急的に手術を行っていましたが、死亡率の高い病気なので助けられない犬も多々いました。
最近ではそのような病気になりやすい大型犬に対して、腹腔鏡下で予防的に胃固定手術が行われています。予防率が100%とは言えませんが、かなりの予防効果が期待できます。

 

 

 

6 腹腔鏡下胆嚢摘出手術

犬では、胆嚢内に胆泥といわれる粘液性物質が充満し、詰まることがあり、これが原因で胆汁の流れが悪くなったり胆管が閉塞することがあります。
今までは開腹により胆嚢内の洗浄もしくは胆嚢摘出手術をしていましたが、当院ではよほどの重度でない限りは、腹腔鏡下胆嚢切除手術を行っております。これにより術後の痛みをかなり軽減することができ、早期退院も可能になりました。

 

術後の傷口

摘出した胆嚢

 

 

7 腹腔鏡下副腎腫瘍摘出手術

犬、猫とも左右の腎臓の脇に副腎と言われる生命に関わる重要なホルモンを分泌する臓器があり、しばしばその副腎が腫瘍化し、体調が悪化する原因となる疾患です。 今までは開腹手術にて摘出手術を行っていましたが、非常に深い位置にある臓器のため、手術の難易度が高く、術後合併症の多い手術でした。 しかし、腹腔鏡で摘出手術を行うことで深い位置にある副腎腫瘍もかなり摘出が容易になり、術後回復も早く合併症を減らすことが可能になりました。

 

術後の傷口

摘出した腫瘍

 

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